青山学院大学理工学部での集中講義「物理科学特論I」

講義形式:全八回の授業のうち、三回をオンデマンド配信、五回をリアルタイム配信(相互通行)とします。

成績評価:リアルタイム配信における積極的な質問と、レポート課題に基づきます。

レポート課題:以下課題のうちから1題以上解くこと(締切9月30日)

1。講義で紹介した内容のうち、興味を持ったことについて 自分が行っている(行いたい)研究とも関連させて論じてみて下さい。
2。速度と状態に依存する摩擦法則をバネブロックの一体系に仮定し、 滑り速度一定の状態が不安定化する解析を行うこと(線形安定性解析)
3。オンデマンドの講義ノート(地震の理解に必要な弾性論)に 書いてある「練習問題」を3題以上解いて下さい。

レポートはPDFにしてCourse Power上で提出して下さい。数式や図などを使う場合は手書きをスキャンしたものでも結構ですが、その場合は、鉛筆でなくボールペンなどで濃く書いて下さい。(鉛筆だと薄くて読めなくなることが多いので)。

リアルタイム配信:

zoomを使って行います。各回のzoomリンクはCourse Powerに貼ってあります。 タイトルは講義で使ったスライドPDFへリンクします。

9月2日(水)3限 (13:20-14:50) 
「地震とは何か」 スロー地震まで含めた現象論の概説を、物理屋の観点から試みます。

9月3日(木)3、4限 (13:20-14:50、15:05-16:35)
「地震予知は可能か?〜観測の観点から」 前震を中心にして、いわゆる地震活動に基づいた地震予知研究の現状について解説します。
「地震予知は可能か?〜破壊現象の観点から」 材料の破壊などの予測も難しいでしょうか?地震とは何が違うのでしょうか?

9月4日(金)3、4限 (13:20-14:50、15:05-16:35)
「スロー地震への導入」 スロー地震の現象論の概説をします。
「破壊と摩擦の物理」 摩擦や不安定な滑りの開始過程がどのようなものであるかについての初歩的知識を解説します。核形成過程、バネブロックモデルにおけるホップ分岐などです。

オンデマンド配信:

講義ノートと、それを解説した音声ファイルから構成されます。内容は、地震の理解に必要な基礎知識となる弾性論です。およそ講義3コマ分の分量にしてありますが、3つのパッケージに分かれているわけではありません。一応の目安として3コマに分けると以下のようになります。
1。連続体の記述:変位勾配テンソル、剛体回転、歪みテンソル、応力テンソルなどの解説
2。連続体の運動方程式の導出。線形弾性体の構成関係とナビエ方程式の解説。
3。グリーン関数、表現定理、モーメントテンソル。
これらの内容はいちおうリアルタイム講義とは独立になっており、リアルタイム講義終了後にじっくり読むので構いません。(すぐに理解できる内容でもないので)。
講義ノートをダウンロードして下さい (ver. 8/28)
音声ファイルをダウンロードして下さい。
PDFと音声ファイルのzipを開く際のパスワードは、zoomのパスワードと同じです。(Course Powerに記載されています)。
ただし講義ノート自体をだいぶ詳しく書いたつもりですので、文章を読む能力に問題のない人は音声ファイルを聞かなくても十分理解できると思います。(むしろ音声はあまり情報を追加していないかもしれません?)。
講義ノートの最新版はこちら。 グリーンテンソルのあたりの説明を少し詳しくし、ポアソン比に関する誤った説明を訂正しました(坂上さんのご指摘に感謝します)。ただし最後の方の式番号は音声解説と対応していないので注意して下さい。

質問など:

リアルタイム講義は双方向ですので、分からないところがあれば随時質問して下さい。 オンデマンド講義資料の内容についての質問はメールでして下さい。 頻出質問があれば後日まとめてここにアップします。